雑 多 な 備 忘 録

20年1月18-19日◆『新宿RUMBLE FISH』

『新宿RF』の思いつきの反射で書いた感想と思い出のメモ書きです。

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昨年の速水奨さんと野津山幸宏くんのニコ生番組での告知から、ずっと楽しみにしていた朗読劇『新宿RUMBLE FISH』を観劇してきました。
18日は1DAYチケット、19日は一般チケットにて夜の部、計3公演に行きましたが、本当に面白かったです。

会場は御茶ノ水にある『全電通ホール』。1DAYチケットは前方の席が確約される昼夜通しのチケットだったのですが、前方の座席は段差のないフラットなスペースに椅子を並べたもので、ステージ自体は近かったのですが、全体感は把握が難しく……。一般席のほうが段差になっていたので、集中して観劇を楽しむには、1DAYチケットよりも一般チケットのほうが大勝利だったかもしれない…と個人的に思いました。最後に一般席で見て良かった…!(とはいえ1DAYチケットの座席の後方でも、キャストさんとの距離はめちゃくちゃ近かったです、とても)

今回の朗読劇は、速水さんプロデュース・演出の「走れメロス」を下敷きにした『オリジナルシナリオ』。新宿の花舞伎町(花が舞うってとても良い字面で好きです)を舞台に、何でも屋を営む凸凹バディが事件を解決していく…という、現代風の『走れメロス』なのかなんなのか…、走るのは誰なのか、キャスト陣と簡単なプロフィールが公開されているキャラクター…など、事前情報が少ない状態ではありましたが、シナリオもステージでの演出もとても良かったです。
生演奏での劇伴も、コミカルな逃走劇ととてもマッチしていて楽しかったですし、故にシリアスなシーンに移り変わる際の『あの無音』が上手い具合に場面転換できていて、ピリッとスパイスになっていたと言いますか、さらに物語に入り込めた気がします。
劇中のアドリブも、回を重ねるにつれて柔軟になっていて、とても面白かったです。アフタートークでキャストさんたちが口を揃えて『良い座組み』と仰っていましたが、観ていてもそれを感じられる雰囲気で素敵でした。

観劇前は速水さん演じる『佐藤スズキ』と野津山くんが演じる『寅吉』が気になっていたのですが、実際に観てみると、いつの間にかメロスと芹沢くんに夢中になっていました。メロスが本当に男前で参った。
木島さん演じる『〆口駆(メロス)』と新垣さん演じる『芹沢実』がクライマックスで本音をぶつけ合う掛け合いが、本当に熱が籠っていて火傷をしました…。回を増す度に熱も増しててすごかった。

ツイッターでも反射的に呟いて(は消しても)いたのですが、芹沢くんがずっと抱えていたドロドロした感情や、スズキさん見解の『罰を与えられることで救われる場合もある』だとか、頭を抱えてしまった。なので、あの登場人物の中で一番感情移入してしまったのは芹沢くんでしたし、だからこそ『メロス』の存在は本当にカッコいい。憧れてしまう。本当にこの二人には感情がぐずぐずになってしまいました。実際はメロスと寅吉が花舞伎町を走り回った訳だが、芹沢くんも『あの日』から色んな意味で茨の道をもがき走っていた感じがするし、なんというか『太宰』感がある…。
芹沢くんが犯した罪に対しても、それによって自分が知らないところで大切な人(マリアさんなど)を傷つけたことへの罰も受け入れた訳だけど、彼には『いつでも待ち続ける』という約束をしたメロスがいるから、きっと芹沢くんも笑顔で戻って来れるだろうなという、確信に近い希望もあって良かった。メロスが言うと含蓄があるんだよなあ…。実際は数時間の朗読劇なのに、何故かこれまでの二人の背景も見えてくるし、圧倒的な絆を感じて凄く良かった…。

狭いようで広い花舞伎町だけど、マリアさんや万代、王子という存在も、ミスリードがあったりするかなと思いつつも、全員がまったく無関係ではないというのも、リアリティがあって、どこか現代っぽいしハッとする。
そんな中、なぜ花舞伎町で『何でも屋』を…という佐藤スズキと寅吉は、メロスたちの世界では完全に部外者だったワケだけど、その部外者が、その世界に介入することで停滞していた物語を動かした…みたいな感じでもあるのかな?反射の思いつきだけれども。

佐藤スズキ自身、「自分のことはどうでもいいし、知らなくてもいい」みたいな態度なのも憎いよな〜!ズルいよな〜!!と思う。『幸せを届けたい(ハッピー♡デリバリー)』という理由で『何でも屋』をしていることは間違いない…はず…。素性が分からな過ぎて、そこにも確信が得られないんだよな…。
いつか佐藤スズキと寅吉を深掘りする回もほしい…が、スズキさんがのらりくらりと上手くかわしそうだし、そんな事をしている間に、別の事件が起こりそうで永遠に分からないままな気もしていて、「マーーーーーージ???」と限界オタクになっている。ツラ…。
佐藤スズキに注目して劇中の言動を逃さず物語を追っていたつもりなのに、いつのまにかメロスたちに夢中になっていた事しかり、寅吉の性格や体質とやらを知った上で「(あくまで依頼された)仕事は終わりだよ」と電話した事だとか、正直『佐藤スズキにやられた!』感がすごいんですよね。思わず笑ってしまう。くやしい…。只者じゃないのは分かるが、本当に何者なんだ。
佐藤スズキに「拾い食いしちゃダメだよ〜」っと言われる寅吉も実はネコなのでは……と、ぐるぐる目で支離滅裂なことを考えてしまう…。何者…。

改めてメロスは本当に男前だなとグッとくるし、芹沢くんに関しては考えれば考えるほど感情移入してしまうこと、マリアさんや万代さんのその後や、そこに至った経緯だとか、佐藤スズキと寅吉の謎の部分などなど…、複製台本を眺めながら色々振り返りつつ、物語の余韻に浸って、行間読みを楽しんでいます。本当に濃密な世界と物語の朗読劇で楽しかったです。
ぜひ今後につながる『新宿RF』というシリーズ化を期待しつつ、思いつきの拙い文ではありますが、個人的な備忘録として残しておきます。